いつごろから、どもりという障害があったのでしょうか

いったいいつごろから、どもりという障害があったのでしょうか。

それは意外と古い歴史を特っています。古典をひもとくと、紀元前380年代のギリシャ時代、アテネの政治家として活躍したデモステネスがどもりだったという逸話が残っています。

政治家になるために、おそらく彼は必死の努力でどもりを克服したに違いありません。

このことから、どもりは社会生活が発生した当時から存在した言語障害であると、想像できます。そして間違いなく、社会の発達にともなって増えてきました。

しかし一万で、興味深いフィールドワークの結果もあります。これだけコミュニケーションが発違した現代、どもりが皆無といってもいいくらい少ない民族があるのです。

それはニューギュア、ギアナ、ボルネオなどに住む一部の部族です。

彼らは文明社会との接触を避け、伝統的な自分たちの暮らしを守りながら生活してきました。そういう生活が、過度のストレスや緊張から彼らを守り、どもりという障害を防いでいるのです。

つまりストレスや緊張の少ない環境では、どもりはおきにくいと推測できるのです。こうしたことから、どもりを「文明病」と定義づけている吃音研究者もいます。